こんにちわ Physio-Notesです
これまで、解剖学関節について勉強してきました
解剖学的関節は、肩甲上腕関節と胸鎖関節と肩鎖関節の3つでしたね
今回からは、解剖学的関節を補助する関節の機能的関節について勉強していきましょう
機能的関節は、肩峰下関節(第2関節)、肩甲胸郭関節、C-Cメカニズムの3つでした
今回は、肩甲上腕関節(第1関節)が円滑に働けるように動く、
肩峰下関節(第2関節)について、勉強していきます!!!
肩峰下関節(第2関節)について
肩峰下関節とは、肩峰(acromion)と腱板(特に棘上筋腱)および滑液包(肩峰下滑液包、subacromial bursa)との間の動的な関係を指します
これは正式な関節(骨と骨で構成される)ではなく、軟部組織が介在するため、「仮想的な関節」と考えられることが多いです
名前の由来について
肩峰下関節(subacromial joint)」という名称は、「肩峰(acromion)」の下(sub-)にある組織の動的な相互作用を、関節のように捉える考え方からきています
「sub-(下)」+「acromial(肩峰の)」 → 肩峰の下にあるスペースを指します
構成について
肩峰下関節を構成するのは以下の通りです
肩峰・烏口肩峰靱帯・烏口突起、肩峰下滑液包、腱板(二頭筋腱含む)、上腕骨頭(大結節)で構成されます
烏口突起と肩峰および両者を結ぶ、烏口肩峰靭帯によって構成される烏口肩峰アーチがあります
烏口肩峰アーチは、肩関節の安定性に関わる骨・靭帯の構造であり、肩峰下スペース(subacromial space)を形成し、腱板を保護する役割を持っています
肩峰下関節(第2関節)の働きについて
肩峰下関節の主な役割は、肩関節の円滑な動きをサポートすることです。特に、肩関節外転(腕を横に上げる動き)や屈曲(腕を前に上げる動き)の際に重要です。この空間が十分に確保されていることで、腱板や滑液包が骨構造に挟まれることなく、スムーズに動くことが可能になります
また、肩峰下間隙には滑液包が存在し、これが潤滑油の役割を果たします。滑液包のおかげで、腱と骨の摩擦が最小限に抑えられ、肩関節の自由な動きが維持されます
①肩甲上腕関節の機能向上
②腱板上昇に対する抑え込み作用(depressor)
③支点形成力の向上
④肩関節挙上時に大結節がアーチの下を円滑に通過するのを促すとされています
肩峰下関節の障害について
肩峰下関節障害は、肩峰下スペースの狭小化や摩擦、繰り返しの負荷によって生じることが多く、以下の要因が関与します。
① 肩峰下インピンジメント症候群(Subacromial Impingement Syndrome)
- 肩を挙上する際に腱板や滑液包が烏口肩峰アーチに挟まれることで発症。
- 長期間の摩擦が続くと炎症や腱板損傷のリスクが増加する。
② 腱板炎・腱板断裂(Rotator Cuff Tendinitis / Tear)
- 棘上筋腱が主に影響を受け、加齢や過使用により損傷する。
- 部分断裂(partial tear)から完全断裂(full-thickness tear)へ進行する可能性がある。
③ 肩峰下滑液包炎(Subacromial Bursitis)
- 滑液包の炎症により、肩関節の動きが制限される。
- インピンジメント症候群と併発しやすい。
④ 肩峰の形態異常(Acromion Morphology)
- フック型(Hooked Type)の肩峰では、腱板への圧迫が強くなり、障害のリスクが増加する。
- 骨棘形成(Osteophytes)があるとさらにスペースが狭くなり、炎症を引き起こす。
⑤ 過度の肩の使用(オーバーユース)
- スポーツ(野球、バレーボール、テニスなど)や反復動作(重量挙げ、ペンキ塗りなど)が原因となることが多い。
まとめ
肩峰下関節(第2関節)は、肩甲上腕関節のスムーズな動きをサポートし、肩関節の安定性や機能向上に重要な役割を果たします
特に、肩の挙上時には腱板や滑液包を保護しながら、摩擦を最小限に抑える働きがあります。
しかし、肩峰下スペースの狭小化や過度な負荷により、インピンジメント症候群や腱板損傷などの障害が発生する可能性があります
肩の機能を維持するためには、適切な姿勢や肩甲骨の動きを意識しながら、予防・ケアを行うことが重要です。今後は、肩の機能的関節としての役割をさらに深く掘り下げていきましょう
最後までよんで頂きありがとうございました