こんにちわ
Physio-Notesです
前回は胸鎖関節について、勉強していきました
これまで、解剖学的関節の肩甲上腕関節と胸鎖関節について勉強してきました
今回は解剖学的関節の3つの目の、肩鎖関節について勉強していきましょう
肩鎖関節(けんさかんせつ)は肩甲帯(けんこうたい)の重要な関節の一つであり、肩甲骨と鎖骨をつなぐ役割を果たします。この関節は肩の動きや安定性に大きく寄与し、日常生活やスポーツ動作において重要な働きをしています
今回は、肩鎖関節の構造とその働きについて詳しく解説していきましょう


名前の由来
「肩」は肩甲骨の一部である「肩峰」からきていて、肩峰は肩甲骨の外側にある突起で、肩鎖関節の一部を形成しています
「鎖」は鎖骨からきています。鎖骨は胸骨から肩甲骨に向かう細長い骨で、肩鎖関節のもう一方を構成します
つまり、「肩」と「鎖」の2つの骨が結合している関節であることから、「肩鎖関節」という名前がつけられました。
肩鎖関節の英語名ではAcromio-:肩峰(acromion)とClavicular:鎖骨(clavicle)をつなげて「acromioclavicular joint」(アクロミオクラビキュラー ジョイント)と呼ばれています
肩鎖関節の構造と働き
肩鎖関節の構造
肩鎖関節は、以下の骨や靭帯で構成されています。
1. 構成骨
鎖骨(さこつ) 鎖骨は胸骨から肩甲骨に向かって伸びる細長い骨で、体幹と上肢をつなぐ役割を持ちます。
肩峰(けんぽう) 肩甲骨の一部で、鎖骨と接して肩鎖関節を形成します。
2. 靭帯
肩鎖関節はいくつかの靭帯によって安定性を保っています。
肩鎖靭帯: 鎖骨と肩峰を直接つなぎ、関節の安定性を提供します。
烏口鎖骨靭帯: 鎖骨と肩甲骨の烏口突起をつなぐ靭帯で、 肩鎖関節を補強します。
菱形靭帯:
円錐靭帯:
3. 関節円板
肩鎖関節内には、線維性の関節円板が存在することがあり、関節の動きを滑らかにする役割を果たします
肩鎖関節の働き
肩鎖関節は、肩甲骨の動きや力の分散において重要な役割を果たします。
1. 肩甲骨の動きの補助
肩鎖関節は、肩甲骨が胸郭上で自由に動くことを可能にします。これにより、以下の動きがスムーズに行えます。
肩甲骨の挙上(肩をすくめる動き)
肩甲骨の下制(肩を下げる動き)
肩甲骨の回旋(腕を上げる際の動き)
2. 力の分散と伝達
上肢から加わる力を鎖骨を介して体幹に伝え、肩関節全体の負担を軽減します。
3. 安定性の提供
肩甲帯全体の安定性を支え、上肢の広い可動域を可能にします。
4. 関節可動性
肩鎖関節そのものの動きは小さいですが、肩甲骨と鎖骨の微妙な動きが肩全体の運動に影響します。
おわりに
肩鎖関節についてまとめてきました
肩鎖関節は外傷や慢性的なストレスにより障害を受けやすい部位です。
肩鎖関節についての外傷は以下のようなものがあります
- 肩鎖関節脱臼
転倒や衝撃により肩鎖靭帯や烏口鎖骨靭帯が損傷し、関節が脱臼することがあります。重症度に応じて保存療法や手術が必要です。
- 2. 肩鎖関節炎
過度の使用や加齢により炎症が生じ、痛みや腫れが起こることがあります。
- 3. 変形性肩鎖関節症
関節の長期的な摩耗や老化が原因で発症します。慢性的な痛みや動きの制限がみられます。
肩鎖関節は小さな関節ですが、肩の機能において非常に重要です。痛みや違和感がある場合は早めに医療機関を受診し、適切な治療やリハビリテーションを受けることが大切ですね
肩鎖関節の健康を守るために、日常生活での無理な動作を避け、適切な運動習慣を取り入れるようにしましょう!
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました